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作品たち

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Orange


彼女は包丁を自分の胸に突き下ろす
かたく盛り上がってしまった、血の塊に
すべてが消える様に
まるで何もなかったかの様に
まるで もとあるべき姿に帰る様に
深く
突き下ろす


オレンジは 開き
大事な甘いジュースが
見たくないほど流れ出す


彼女が彼女であるべきために
オレンジはオレンジであるべきなのか...


かもめの影が通りすぎる

岩の上で すっかり乾いた
甘い オレンジは
そして いつか
芽を出す
彼女が彼女であるべきための
オレンジは壊れ流され
彼女が去って
そこに芽を出す